toggle
2020-02-26

イヴ・サンローラン・ボーテの発表会で感じたこと

私が中高生の頃はまさにファッションブランドという印象だったイヴ・サンローラン。

ムッシュ・サンローランがつくる、エレガントなマダムブランド。
子供時代の朧げな記憶はたしかそんな感じだったはずだ。

悲しいことに私の身近な大人はYSLの香水を愛用していなかったので、
香りの思い出も焼き付けられていない。

しかしYSLは、記憶が正しければ2010年から大逆進がはじまった。

「恋するリップ」をキャッチコピーに官能的なビジュアルを組み合わせ、すべての色にセンシュアルなネーミングとストーリーを作り上げた。これが、恋に人生に前向きなミレニアム世代の心に火をつけた。それまで男性の目を気にした控えめなグロスばかりつけていた若い女性たちが一気にリップを纏い始めたのだ。

そして2016年に誕生したフレグランス「モンパリ」は香りを纏った瞬間に、リップメイクとマッチするかのような、香りによる存在感をミレニアム世代に与えた。

リップスティックの「ボリュプテ」は、キスの感触をブランドのコンセプトとしながら、
コレクションを追うごとにその時代のムードと女性の心情を反映するかのようなパーフェクトな色みと質感を展開している。

纏うだけで自分の気分が高まるリップは当然、恋や仕事に邁進する友人に、メッセージとして託したくなる。
YSLのリップが他ブランドに比べ、ギフト需要が高いのもうなづける。

大人たちはどうやったら若年層たちに化粧品を手に取って貰えるかあれこれと試行錯誤する。
けれども青春真っ只中の若年層は、いくら将来の不安を煽ってもどこふく風。
何を隠そう、私だってそうだった。

そんなミレニアム世代にいくらスキンケアの必要性を説いても理解は出来ない。
私たちの顔はたるまないし、シミがある日突然出現することもない。
もし悩みが現れても適切なケアをしたら、元の状態にかならず戻れる。
カイヤ・ガーバーのように。

大人になったときにはじめて、
若さや時間、そして積み上げてきた努力の大切さやありがたみが理解できるのだけど
若い子にそう言ったところで、彼女たちはどうしても、楽しい“今”しか見えないのだ。

少し現実的な話になってしまったけど、
私は希望に満ち溢れている若い女性たちに無理やり
「お願いだからスキンケアをして!」と言うつもりはない。
もう一度言うけど、私自身だってちゃんとしてこなかったのだから。

だからこそ、10代、20代前半の世代に言いたいのは、
ケアと悩みを解消したり治癒したりするという考え方ではなく、
楽しい肌作り、つまり「スキングロウ」というコンセプトを薦めたい。

肌を磨いてきれいになること
メイクアップがますます映える肌になること
ファンデーションがいらない肌になること
夜更かししてもニキビができにくい肌になること
赤みに悩まされないしなやかな肌になること

あらゆる世代が楽しみながら行える「スキングロウ」のカテゴリー。
みなさんも一緒にはじめてみませんか。

2020,02,26 By Nathalie

関連記事