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2020-06-12

“なんちゃって”ライフスタイルブランド


Bonjour à tous!

この前、知り合いから「ライフスタイルブランドってどういうものですか」と尋ねられ、ならば分かりやすいように具体的なブランドを紹介しようと思ったのだけどしばらく頭を抱えてしまった。

というのも、今日本にあるライフスタイルブランドは、

・成分や処方が“なんとなく”いいもの
・パッケージが“なんとなく”おしゃれ
・著名人が“なんとなく”プロデュース

この3つに絞られる気がするからだ。

この記事を読んでくれている方も、“なんとなく”つくられた商品を自分の身の回りにきっと置きたくないと思う。私自身ももちろんそうで、色々な背景を知るうちに「ライフスタイルブランド」と記載されたものについては、特に掘り下げてチェックするようになってしまったし、その分がっかりした気持ちもたくさん味わった。

少し厳しい言い方かもしれないけど、「ほら、なんとなく良いでしょ?」という作り手の潜在意識がどうしても見え隠れしてしまうし、なかには額縁に飾られたようなキラキラライフの押し売りのようなものもあり。消費者を軽んじているようでならない。

ここからは、複数ブランドをイメージしながら書くけども、一見肌に良さそうなキー成分を大々的にアピールするものの、裏を返せばアレルギーを起こしそうな成分がたっぷり含まれている。添加物をたっぷり含んだ“糖質カットピザ”みたいな違和感を感じてしまう。

著名人プロデュースも、残念ながらライフスタイルに全く寄り添えていないものがほとんど。名前貸しも多いのも事実です(その一方で、何かの分野を学問的にも学んでいる美容家が作るオリジナルブランドは、秀逸なものが多いと思います)。

では、なぜ日本ではライフスタイルブランドが生まれにくいか。明確な答えはまだ出ていないけど、いくつか考えられる理由のひとつとして、やはりその真面目さにある気がします。

ライフスタイルブランドとなると、多くの人に使ってもらいたい、広く知ってもらいたい、流行のデザインを取り入れてみようなどの気持ちが先行してしまうのでしょう。それがいわゆる既視感や誠実さの欠如につながってしまう。

その一方で、日本には悩みに特化した素晴らしいスキンケアブランドやボディケアブランドが多く存在するのも事実。それは肌の悩みを持った人に徹底的に向き合っているからだし、そこから一貫性が生まれるからだと思う。日本の企業も今一度、女性、そして男性の“ライフスタイル”がどういうものなのかを再考して欲しい。本当に欧米のコピーで良いのかも含めて。

最後に、フランスのライフスタイルブランドについて。多くのブランドがその域に参入しているけど、やはり主張のある国だけあってメッセージ性がとても強い。

合う合わないは消費者が日々寄り添う恋人を決めるのと同じように、中身をしっかり見極めて選んでいく。そのためには自分のなかでもポリシーを持っておかなければならない。それが難しくもあり、楽しくもあるんですよね…!

それではA bientôt !

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